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2014 年2月&6月、なつかしの写真集が2冊発売されました。
ブーム到来か!

【写真アルバム 太田・館林・邑楽の昭和】 
2014年2月22日発行 
いき出版 9514円+税

【館林市史別巻 写真で見る館林】 
2014年3月31日発行 
館林市発行 1500円(税込み)

館林市写真集▲左、「写真アルバム太田・館林・邑楽の昭和」280ページのボリューム。
民間が出版したので1冊約1万円。(9514円+消費税)A4サイズ
右、館林が市制60周年記念として発行した「写真で見る館林」約700点の写真が収録されている。
246ページ。1500円(税込) A4サイズ

【誰も書かない、お金のこと、1万円と1500円その差は?】 
あくまで個人の意見です。 

1万円と千五百円。圧倒的な価格差はなぜ?(答えるのは、出版、マスコミ業界人である私の個人的な意見です。)
館林市発行の写真集、定価1500円については、見えない金額(すでに先払いしている住民税などの税金)のことを考えないとフェアでありません。 館林市史編さんセンターの 編集スタッフの職員の給料も税金でまかなってます。それを考えると、単純に定価の価格差を比較出来ないのは当然ですね。1万円の写真集は民間の会社が制作しています。
 私は長らくデザイン制作の現場にいました。今もいますが・・・。
私の経験で、写真集の制作コストを考えてみます。
まず発行部数を想定しないといけません。市発行の写真集は予想で1000部〜1500部。民間の写真集は多分3000部(2000部かもしれません)(その根拠:著名な出版社が発行する単行本の初版はだいたい3000部。そんなものなのです。)

写真集を制作し、PRし、書店へ納品し消費者へ届ける経費は
1)編集経費(編集者の給料、原稿制作の費用。)
2)デザイン制作(表紙、全ページのレイアウトデザイン)+DTP作業(印刷原稿を作る)
3)印刷費(印刷、製本、用紙代)
4)流通経費(取次ぎ店、書店、販促経費、配送)
おおよそ、4つのジャンルの経費がかかります。
(1)200万 (2)150万 (3)300万 (4)100万 合計750万円  1冊あたり7500円という概算です。
ということは1500円で販売すると6000円のマイナス(買った人は6000円のプラス)。
これは、買わないと損ですね。(笑)
民間の写真集の価格1万円ですが、制作原価に利益をプラスしなくてはいけません。それを考えれば、けっして高くありません。

【写真集の誌面紹介】

写真集の中身
どちらも懐かしの写真が盛りだくさん。いき出版の本は広域なので館林の情報は3割〜4割です。
私は館林育ちなので太田はよくわかりません。感情移入が難しい。
館林市発行の写真集は全編館林なので感情移入できます。
誌面のデザインについては、市発行の写真集(写真下)はフォーマット重視で定型化されたレイアウトです。
一覧性に優れてますが、おもしろみに欠けます。
いき出版の写真集(写真上)のレイアウトは弾力的で楽しい誌面。
どちらも、貴重な写真が沢山掲載されていて、館林の変遷がよく分かる。
そして、失ってはいけなかった物がなんと多くあったのかも分かる。パソコンのデータのように別のメディアにバックアップ出来ればよいのだが、壊してしまった街並みを復元させるのは至難の技です。
たとえば、館林の大辻近くににそびえていた「箱火の見」、青柳の杉並木(日光脇往還)、(ともに昭和30年代まで存在)
残っていれば、市の観光資源として活躍していただろう。箱火の見は再建可能だが、樹齢250年を越えていた杉並木は不可能だ。
最近では駅西口の開発が進行中、道路を新設するために館林城下町出入り口のひとつ小泉口の景観を削ってしまう暴挙。愚かなことが多すぎる。落胆。
とにかく、貴重な写真を掲載していただいた二つの写真集に感謝。
よろしかったら、両方お求めください。
●「太田・館林・邑楽の昭和」いき出版 tel. 0258-89-6555
●「写真でみる館林」館林市史編纂センター tel. 0276-76-7651